12/20(sat) 生西康典×伊藤隆介 長編作品デュエット上映 ことばとえのちょうし

by cai_staff on December 12, 2014

12月20日に開催する上映会「生西康典×伊藤隆介 長編作品デュエット上映 ことばと
えのちょうし」は、 2人の近作、旧作の中から、映画というアウトプットに更に制約を加えた特徴的な作品に注目し選びました。

生西康典「おかえりなさい、うた」は、2010年恵比寿映像祭(@東京都写真美)でのサウンドインスタレーションとして注目の後、
上映形態に変換、UPLINKやYCAMでの話題となった、映画でありながら映像が無い言葉と音声のみで構成された音の映画。

一方、伊藤隆介「風がふいている 8mm slice of life 」は、2000年の作品、札幌では初公開となります。
8mmのフィルム上映で無音のサイレント映画。
ある冬から、また新しい冬へ。1年間の日記映画が向かい合ったのは、末期癌の父との旅、老衰の祖母、そして自分の手術。時間の流動性と、
そこを転がる川石のような、つかのまの人間存在の関係を、日本人の日常の断片を積み重ねて描こうとした作品です。
8mm

チケット予約受付中!
詳しくは、WEBサイト: http://www.filmfilmfilm.org/tone/
申し込み
ご予約:Eメール受付:sano@cai-net.jp
ご予約又が無くとも当日チケットにてご入場頂けますが、座席に限りがございます。
ご予約の無いお客様は、入場をお断りすることがございます。予めご了承ください。


こちらは、生西康典作品へのメッセージ
昨年春に渋谷UPLINKで開催された特集上映『おかえりなさい、うた』生西康典の仕事 2008-2011
に寄せられたアート、デザイン、映画、音楽関係者からの応援コメントより転載します。

何を隠そう私は生西君の作品をいちばん最初から観ている。
何を隠そう私は生西君にいちばん最初に作品を頼んだ者だ。
以来、思えば長い付き合いだが、今もって生西君の作品は私にとって謎である。
そう言うといつも本人は不本意そうだ。だがこれは正直な気持ちだ。
でもだからこそ私は生西君の作品をずっと観てきたし、これからも観るだろう。
謎は解けなくて構わない。むしろ解けないで欲しい、そう思っている。
佐々木敦(批評家)

製作中はいつもこれが何なのかよく知らない、
知らないままだから結局、勘のようなもので関わる。
そして、終わってからもよく知らない。
だけど、全力を尽くすし、並々ならぬ集中力や忍耐が必要とされるし、
スタッフのみんなもボロボロだ。
演奏者としては、「星の行方」と「おかえりなさい、うた」で参加しました。
客で観たのは「Momo,Momoko,Moe et」です。
生西君とは、1回だけのライブとかでも結構一緒にやってて、
一緒にやるのは何でも大変です。
新宿の呑み屋とかジャズバーとかでも、とにかく色んな話をするし、
基本的には意見や感想が対立することが多いけど、それがいいんですよね。
「あれはいい、だっていいから」とか「これはダメ、嫌いだから」とか、
結局好みを主張するだけの子どもっぽいやり取りで終わったりして。
ライブや演劇みたいなものだと思うけど、
記録していたものを再生するってことは、今回は映画かな。
「星の行方」ならよく知ってる。
「おかえりなさい、うた」も参加してるから半分ぐらいは知ってる。
「Momo,Momoko,Moe et」は見たから2割ぐらい知ってる。
生西君のことは9割知ってる、たぶん。
この上映会を見たら、それぞれの作品のことは更に3割ぐらい知るかな?って思ってます。
今回のこういう公演の記録を、今こうして観れるっていうのは、
何だか不思議な気がしますね。
こんなことしていいのかな?生西くんの人生第2部終了みたいな?
植野隆司(テニスコーツ)

生西さんは、目がいい。
いろんな邪念や思惑にとらわれずに、すっと、人や空間や素材やもろもろの、
本当のところを見抜いてしまう。
だから、生西さんの言うことは、時に怖ろしい。
生西さんの仕事は、突き放しているようでいてみなどこか優しい。
いろんなことを見抜いてしまう生西さんには、
人を驚かしたり惑わしたり陥れたりするのはしごく簡単なことのはずなのに、
力づくで何かを伝えるのではなく、
何かが伝わる場を作ろうとするから。
岡村恵子(東京都写真美術館学芸員/恵比寿映像祭ディレクター)

生西くんのことを説明するのはとても難しい。
じゃあ誰だったら簡単なんだと言われると、
いや誰であれ説明するのは難しいですよねそれはと思うけれど、
でもやっぱり生西くんにはちょっと特別な難しさがあるんじゃないだろうか。
なんだろうそれは。ということをずっと考えている。
わからないなら考えなくてもいいんじゃないの?なぜわざわざそんなこと考えているの?という声もどこからか聞こえてくる。それでも考える。
たぶん生西くんの投げかけるものが、考えることをやめさせてくれないのだろう。
死ぬまで考え続けている気がする。
佐藤直樹(グラフィックデザイナー/アートディレクター)

生西さんの活動は、いつも気になります。
どこか自分と似たようなことを考えている気がして。
でも、実際はずいぶん違うんだろうな。
だから、なおさら関心があるのです。
七里圭(映画監督)

生西さんの作品について考える…光の強さや手触りや耳の奥の残響は思い出されるのだけれど、それが何であったか、言い当てようとすると記憶は急に色褪せてしまう。
逢魔が時みたいな、何かと何かのあいだ、形になる前の時間を再演し続けている人。
藪前知子(東京都現代美術館学芸員)
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